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セマナ・サンタ

カトリックの国、スペイン全土で行われるprocesion

優しいスペインの人々の根源に流れる

カトリックの精神をふと感じる日…



移動祝祭日

セマナサンタは毎年3月22日から4月24日の間にあり、カトリック暦によって毎年変わるので、「移動祝祭日」と言われています。今年は、聖木曜日が4月13日、翌14日が聖金曜日にあたりました。この聖金曜日の1週間前くらいから学校などは休みに入ります。約10日間ほど春にある休みなので、ちょうど日本の春休みみたいなものですが、このセマナサンタ明けから6月23日ころに始まる夏休みまでがスペインでは3学期になります。


セマナサンタの風景1

このセマナサンタには教会から聖像(キリストやマリア様)を出して行列(procesion)を行います。セビリアのものが有名ですが、スペイン全土の各地で行われています。おそろいの服を着た信者たちが太鼓やトランペットの音に合わせて先導します。この服は地区によって違うのですが、中にはとんがり帽子に目のところだけ開いているものがあったりして、独特な雰囲気を出しています。また、聖像は山車に飾りとともに据えられるのですが、これはかなりの重さになるそうで、それを数十人の信者の頭や肩に担いで練り歩くのです。毎年テレビでこれらのprocesionの模様が放送されます。


キリスト像の行列(procesion)

このprocesionに参加する人たちはもちろんのこと、見学する人たちも、この行列を騒いで楽しむというのではなく、あくまでも宗教心から行動しているようです。マリア様の像を眺めては涙する人もいるとか。最近ではスペインでも宗教離れが多くなっていると言われていますが、宗教に大きな関心を持たない日本人(私)にすれば、やはりスペイン人はカトリック国だなと思うことが多くあります。このセマナサンタの行事もそのひとつですが、他に、学校の教科に宗教(カトリック教)があることです。もちろん、カトリック信者ではない生徒のために替わりの科目も用意されています。また、約9歳で初聖体拝領の儀式をするのですが、その準備のために教会においてある一定期間公教要理の講義を受ななければならないようです。

そのおかげもあるのでしょうか。スペインに来て間もないころは、スペイン人が弱者に対してすごく優しい民族だなと感心したことがしばしばありました。なんといっても、子供に優しいですね。それに、息子の通う学校に障害を持つ生徒もいるのですが、回りの配慮で一緒に学校での生活を楽しめている様子がうかがえます。またまた、地下鉄などで見かけるミュージシャンや物乞いたち。日本ではまったく見かけないようなこの人たちは、ここスペインでは少しでも小銭を分けてくれる人がいるから、生活していけるのでしょう。

セマナサンタを終えて少しずつ夏に向かう日に私が感じたことでした。


森 茂子 1988年に結婚。1991年、1995年に男子を出産。横浜市磯子区でごく普通の母親・主婦として暮らす。97年の暮れに、主人の長年の希望であったスペインでの就職が決まり、家族での移住を決意。ビザの取得など準備をし始め、ご主人は98年5月、他の家族は8月に渡西し、現在に至る。趣味はパドル(テニスの小型版)とサッカー観戦。

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2006年08月28日 15:49に投稿されたエントリーのページです。

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