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2009年11月 アーカイブ

2009年11月05日

ゲルニカとの再会

マドリードのソフィア王妃芸術センターに見学に行ってきました。マドリードに住み始めて早11年。恥ずかしながら、未だに行ったことがありませんでした。家族や友だちがスペインに遊びに来たとき、プラド美術館には何度か見学に行きましたが、ここには来る機会がなかったのです。東京に住んでいる人で東京タワーに行ったことがない人が多いのと同じで、なかなかよほどの機会がないと近くにある観光地にはいかないものですが、秋も少しずつ深まり「芸術の秋」を楽しみたいなと思い、また2009年5月に芸術センターの拡張工事を終えたばかりということもあるので、一人で足を運ぶことにしました。

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このソフィア王妃芸術センターは、18世紀に建築され病院であった建物を利用し、20世紀から現代の美術品を集めて、バルセロナオリンピックが開催された1992年にオープンしました。拡張されたのは、以前からあった建物のアトーチャ駅側にできたとても斬新なデザインの建物で、コレクションや図書館やレストランなどが入っていました。0階から4階(ご存知の方も多いと思いますが、ヨーロッパでは日本の1階が0階になります)に絵画をはじめ、彫刻、写真、映像などなど膨大な数の作品が展示されています。その中で、世界でも有名な20世紀に活躍した、ピカソ・ダリ・ミロの作品は2階に展示されています。時間に限りのある方は、2階の展示室を一周されてはいかがでしょうか。

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     新しく拡張されたビル

その中でもこの芸術センターの目玉の作品は、パブロ・ピカソの大作、「ゲルニカ」です。この「ゲルニカ」は、1988年の新婚旅行(私のです)でマドリードに来たときに鑑賞しています。そのときは、ソフィア王妃芸術センターはまだ国立の美術館としてオープンされておらず、「ゲルニカ」はプラド美術館別館に所蔵されていました。ですので、今回は21年ぶりの再会。やはりその作品の大きさに圧倒されました。
 
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     「ゲルニカ」と監視員

「ゲルニカ」はスペインバスク地方に実際にある小都市で、1937年にフランコ将軍を支援するナチスにより市民無差別の空爆を受けたことを聞いたピカソがパリ万国博覧会の壁画として描いたものです。(私が撮った写真より、芸術センターのページをご覧ください
http://www.museoreinasofia.es/coleccion/coleccion-1/sala-206.html)この作品は1975年にフランコ将軍が亡くなってしばらく経った1981年までスペインに戻ることはできなかったそうです。私が最初に「ゲルニカ」を見たときは、当時は良くわかっていませんでしたが、ピカソの故郷スペインに里帰りしてまだ間もない頃だったんですね。

ソフィア王妃芸術センターのその他の作品についてはまた次回にお伝えしたいと思います。お楽しみに。

2009年11月18日

芸術センターを訪れて・・・

芸術センターに行ったのは、水曜日の午前中。入り口から入場するときに、かわいい小学校低学年くらいの子供たちの列を見かけました。社会見学に来たんだなとおもわず写真を撮ってしまいました。中に入ると、いるわいるわ、幼稚園から中学生くらいの生徒まで、いくつもの団体がいました。彼らは、絵の前で地べたで座り込み、先生の説明を聞いたり、質問に対して発言をしたり、小さな頃から素晴らしい芸術作品を生で鑑賞しているのです。今はどうか知りませんが、私たちが子供の頃は日本では美術館で絵画を鑑賞するということは、ほとんどありませんでした。それを考えると、マドリッドには偉大な画家の絵を多数所蔵している美術館がいくつかあり、子供たちはとても幸せですよね。

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我が家の二人の息子は、もう大学生、中学3年生と大きくなりましたが、スペインに来てから、どんな素晴らしい芸術の教育を受けるのだろうととても興味がありました。どうしてかというと、何人も世界的に有名な芸術家を輩出している国だからです。でも、学校で図工の時間にやっていることと言えば、独創的なものは何も要求されないものです。何かを模倣するようなものばかり。長男が中学に入ってから絵を何枚か書いて家に持ち帰ってきましたが、既に存在する画家の絵を画集などから選んで、それを模倣したものなのです。スペインに長く住む友人の話によると、学校での図工や音楽の教育はまだ歴史が浅いということで、その点から言うと図工の教育は日本の方が進んでいると言えるかもしれません。また、良く考えれば、素晴らしい芸術家というのは本人の持って生まれた才能いかんで決まるのであって、学校教育で育まれるものではないですものね。

欧米ではどこの国でもそうだと思いますが、スペイン人の家でも、絵やポスターなどを素敵に飾る習慣があります。そのためにどこの町にでも額屋さんがあります。絵を持っていくと、それに合う額と額と絵の間の紙を予算に応じて決めてくれます。もう10年くらい前に家の近くにある額屋さんで額装してもらった、広重の浮世絵。京都で買ったもので2・3千円の安いものだったのですが、こうやって飾るとなかなかではありませんか?
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