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続々・フラメンコのことを少し

東日本大震災から約3週間が経とうとしています。残念ながら福島原子力発電所の事故は未だ収束の目処が立たず、ここスペインでも毎日トップニュースの一つとしてその状況を報道しております。一日も早く解決に向かってほしいと願う毎日です。

もうすぐ4月。本来ならお花見で盛り上がっている日本でしょうが、今年はそれどころではない方も多いでしょうね。それでも、季節は確実に春に近づいてきています。こちらも暖かくなったり、また冬にもどったりしていましたが、ようやく今日あたりから本格的な春の訪れを感じられる陽気になってきました。うちのマンションのベランダにある小さな花壇の植えっぱなしのチューリップも咲きました!被災地にも早く春が訪れるといいですね。

今回もフラメンコの話を続けたいと思います。

前々回と前回のコラムで、エンリケ・モレンテとエストレージャ・モレンテの二人のカンテ(歌)を聞いていただきましたが、同じフラメンコでも曲調がかなり違うのにお気づきだと思います。フラメンコと言っても種類がたくさんあるのです。その種類をパロと呼び、曲のリズム、歌詞の内容、その曲が生まれた土地によって分けられており、その数は50くらいもあるようです。

紹介したエンリケ・モレンテの歌はソレア(Soleá)のひとつで、暗めの曲調で歌詞のテーマは孤独や落胆などです。深みと威厳があります。一方、エストレージャの方はアレグリア(Alegría)に分類されるもので、軽快でテンポの速い音楽で、歌詞のテーマは、パロの名前と同じアレグリア(喜び)です。

その他の主要なパロにはブレリア(Bulería)があります。これはソレアから派生したもので、早いリズムが特徴でカンテも激しく、最もフラメンコらしい(というのは、私が今までにフラメンコとイメージしていたものがこれだから)ですね。有名なフラメンコギタリスト、トマティートの演奏をお聞きください。
http://www.youtube.com/watch?v=2BCoZiSbGtY
素晴らしいギターと軽快な手拍子がアンダルシアの地をイメージさせます。

もう一つ紹介するのは、タンゴ(Tango)です。タンゴと言えばアルゼンチン・タンゴが有名ですが、全く関係はありません。タンゴも軽快なリズムですが、ブレリアほど早くないですね。ブレリアと同様、宴の締めに歌われたり踊られたりするそうです。タンゴはバイレ(踊り)をみてください。セビージャ生まれのダンサー、スサナ・カサスです。
http://www.youtube.com/watch?v=HLrHcEBk3IY

フラメンコは踊りだけではない、そしてさまざまな種類があるということをお分かりいただけましたでしょうか?コラムを書くにあたって、私もいろいろフラメンコの世界を知ることができ、アンダルシアの本場で直接フラメンコを感じたくなってきました!皆さんも、同じではないですか?

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2011年03月31日 01:15に投稿されたエントリーのページです。

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