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2013年02月 アーカイブ

2013年02月06日

続・AVE新区間開通

前回の投稿で、スペイン新幹線AVEのバルセロナとジローナ・フィゲレス間が開通したことを書きましたが、今日はその続きを・・・

前回はジローナの街の紹介をしました。今年開通したAVE新区間の最終駅はFigueres Vilafant駅です。フィゲレスと聞いて、「あぁ、ダリの・・・」と思われた方、よほどのスペイン通の方ですね。実際、日本でどのくらいの方がダリのことをご存知なのか、疑問ですが。。。2009年にサルバドール・ダリについて少し書いているので、ご覧下さい。

http://www.spain-column.com/2009/12/post_84.html

この中で、バルセロナからフィゲレスまで電車で約2時間と書いてありますが、今回のAVEの開通で所要時間は50分となりました。これくらいになれば、バルセロナ滞在の1日をダリ劇場美術館見学に費やすのも計画が立てやすいですね。

この写真は、我が家の台所に貼ってある今年のカレンダーです。いつもなら、知り合いの会社のカレンダーをもらえるのですが、不景気で数が少なくなったのか、今年はもらうことが出来ず(涙)、初めて市販のカレンダーを購入しました。日本なら、かわいいカレンダーがたくさんあるのですが、スペインにはあまりなく、、、数少ない種類の中から選んだサルバドール・ダリのカレンダーです。2月の絵は、ダリの夢を絵にしたものらしいですが、、、細長い象の足などとても不思議ですよね。この絵は、マドリッドのティッセン・ボルネミッサ美術館にあります。

ティッセン・ボルネミッサ美術館のHPにもう少し絵をよく見られるページがありましたので、興味のある方はこちらをどうぞ。

http://www.museothyssen.org/en/thyssen/ficha_obra/352

そして、AVEに関する耳寄りな情報を二つ。

一つは、2013年2月8日からAVEの一部の料金が値下げされるということです。これは全体的に料金が下がるのではなく、格安航空会社のチケットのように、座席の販売状況によって、空きが多い列車は安くして乗客を増やそうという目的があるようです。

もう一つは、AVEが遅延したときの料金返還について。これは、以前聞いたことがあったのですが、ほとんどAVEを利用することもないため、実際に行われているのかどうかは全く気にしておりませんでした。つい先日、夫がバルセロナへの出張にAVEを利用したのですが、その列車が遅れたとかで料金が戻ると言っており、事実なのだとわかりました。RenfeのHPにもちゃんと書かれておりました。http://www.renfe.com/viajeros/larga_distancia/servicios/serviciosCompromiso.html
これによると、マドリッド・セビリア間のAVEは5分以上の遅延で全額返還。その他の区間は15分以上で半額、30分以上で全額返還ということです。また、AVEだけではなく、その他のいくつかの特急列車も遅れた場合は料金を返還してくれるようです。

夫が利用した列車は、行きが27分の遅れ(あと、3分遅れていたら、、、)、帰りも遅れがあったそうです。

約10分間隔(もっと短かったでしたっけ?)で運行している東海道新幹線などに慣れている日本人の感覚ですと、こんなシステムを採用していると、例えば一本遅れるとその後の列車がすべて遅れてしまうと考えてしまいますよね。でも、AVEはまだまだそんなに本数がないので大丈夫なのでしょうか?ちょっと心配になりますけど、利用する側にとっては返してもらえるのは有り難いことですね。

AVEや特急列車をご利用になるときは、是非このことを思い出してくださいね。

2013年02月21日

バルセロナがスペインでなくなる?

2月もあとわずかになりました。スペインでは、内陸にあるマドリッドでも日中はコートが重く感じる日もちらほらあり、毎年日本よりは早く春を感じるようです。でも、まだまだ本格的な春ではなく、冬に逆戻りしたような日もこれからやってくると天気予報で言っていました。

このコラムでも何回も書いているように、我が家は熱狂的なバルサファンで毎週末のリーグ戦などF.C.バルセロナの試合はほぼ全試合かかさずテレビ観戦しています。最近、バルセロナのホーム戦で前半でも後半でも17分14秒になると、観客席から「インデペンデンシア!(独立だ!)」と大合唱が起こります。

テレビのサッカー中継のアナウンサーや解説者も何も言わないので、どうして17分14秒に叫びはじめるのか、と我が家ではしばらくなぞだったのですが、ようやく分かりました。現在カタルーニャ州となっているところは、987年からカタルーニャ君主国という一国家だったのですが、1714年にスペイン王位継承戦の一つであるバルセロナ包囲戦で敗れ、スペインに統合されてしまいました。ということで、1714年はカタルーニャの人々にとっては屈辱の年として、忘れることのない大事な年となっているのです。日本での試合中継では解説者が説明していて、かえって日本のサッカーファンの方はすでにご存知だったかもしれませんね。

バルサファンは当然カタルーニャ州に住む人が多く、かつてのように一つの国としてスペインから独立したいという人々の割合もかなりのものらしいです。ですので、応援のときに振る旗の中には、カタルーニャ君主国のときの国旗(黄色とオレンジの横縞)がたくさんあります。また、国王杯などの決勝戦などでは、試合前にスペイン国歌が演奏されますが、そのときにブーイングするファンもいるのですよ。

F.C.バルセロナのホーム、カンプ・ノウでは座席に「Mes que un club」と書かれています。これはF.C.バルセロナは「一サッカークラブだけではなく、それ以上のものだ」という意味でカタルーニャ民族主義の旗振り役として機能しているということなのです。我々日本人は、日本国内で独立運動など全くないので、なかなかこのナショナリズムというものが理解できませんが、カタルーニャではかなりこの独立運動が盛り上がっています。


   観客が座っているので分かりづらいですが、黄色い文字がそうです。

ちょっと視点は変わりますが、試合の分はこんなことでも使われています。それは、亡くなった選手への哀悼を示すことです。バルセロナにあるもう一つのリーガ・エスパニョーラのチーム、エスパニョールの選手だったダニエル・ハルケ選手2009年の夏、遠征先のイタリアで突然心筋梗塞のため亡くなりました。ハルケ選手がつけていた背番号21番に因み、試合の21分になると、エスパニョールファンの皆さんが1分間拍手し続けるというものです。

試合経過時間をこのように使うこともあるのだということ、誰が考えたかわかりませんが、興味深いですね。


   グエル公園からのバルセロナの眺め
   もう2009年からバルセロナには行っていません。

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