« ワインを知る旅 | メイン | ゲルニカとの再会 »

マドリードの豆料理

今年の夏は例年より暑く、10月前半まで日中は半そでで過ごせるような陽気が続いていましたが、ここ1週間でかなり涼しく、そして朝晩は寒さを感じるようになってきました。秋が深まると、身体を温めてくれる料理が恋しくなりますね。日本でなら様々な「お鍋」という素晴らしい料理がありますが、スペインにも鍋でコトコト煮込み、スプーンでいただく料理が多くあります。

マドリードの郷土料理で代表的な、コシード・マドリレーニョと呼ばれるものもその一つです。これは、主な材料がガルバンソ(ひよこ豆)で、いい味のスープが出る、牛肉・豚肉・鶏肉・チョリッソ・生ハムの骨などの肉類とキャベツ・にんじん・ジャガイモ・大根などの野菜類をぐつぐつ鍋で煮た料理です。最初にスープだけを取り出して短いパスタを入れたものをいただき、そのあとにガルバンソとその他の肉類や野菜を食べます。子供たちが通う学校の給食でも、月に一回か二回はこのコシードが登場しますし、どこの家庭でもおふくろの味としてあげられるもののひとつになるくらい、よく食べられる料理です。

cocido.jpg

豆類が身体にいいというのは今や健康を気遣う方には常識のひとつになっていますよね。日本で豆というと、なんと言っても大豆があげられますが、スペインでは大豆を料理として食べるという習慣がありません。しかし、最近の研究で大豆にイソフラボンという身体にいい物質が含まれていることが広まったことから、牛乳やヨーグルトなどの乳製品に大豆の成分入りというものも登場してきたんですよ。

スペインでよく食べられる豆は、ガルバンソとインゲン豆とレンズ豆。豆料理を多く家族に作ってあげたいと思うけど、ネックになるのは時間がかかること。しかしながら、レンズ豆はとても小さく水に浸さなくても3~40分でやわらかくなるから、うちではよく作ります。作り方もいたって簡単。たまねぎ・にんじんを荒めのみじん切りにして軽くオリーブオイルで炒め、そこにレンズ豆とひたひたになるくらいの水を加え、その後に生のチョリッソを輪切りにしたものを入れて、コトコト40分くらい煮込むだけ。チョリッソから塩気とにんにくとパプリカの味が出てきますが、塩を少し足します。日本の豆料理と違って甘くないから、これとバゲットでお昼ご飯にしています。スペインの家庭なら、レンズ豆の煮込みがプリメル・プラト(第一のお皿)で、セグンド・プラト(メイン料理)に肉か魚を食べるようです。

Lentejas2.jpg

最初にご紹介した、コシード・マドリレーニョで有名なレストランがあります。創業1870年という老舗、La Bolaというレストランです。これから寒い時期にマドリードに観光にいらっしゃる日本の旅行者のみなさん、身体を温めたいというときに是非行ってみて下さい。http://www.labola.es/

 ※ 写真は他サイトでアップされていたものを使用させていただいています。

About

2009年10月21日 23:25に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「ワインを知る旅」です。

次の投稿は「ゲルニカとの再会」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type