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2008年09月 アーカイブ

2008年09月03日

お祭り好きな国民

長かった夏休みもようやく終止符を打とうとしている今日この頃、我が家の息子たちは新学年に向かって勉強意欲で盛り上がっているかというと、答えはNO! 今、一番気になっているのは、住んでいる街のお祭りにいつ出かけるかということなのです。8月の終わり頃から9月の半ばくらいまで、スペイン各地でお祭りが多く行われます。

どこの市でもだいたい同じような祭りが行われますが、ここ、ポスエロ・デ・アラルコン市では、1週間くらいの期間で、朝早く、エンシエロ(牛追い)が行われ、昼から夜には有名な歌手を呼んでのコンサート、闘牛、移動ディスコ、移動遊園地などがあります。

お祭りの一つで有名になったのは、毎年8月の最終水曜日にバレンシアに近い、ブニョルという村で開催される、トマティーナです。今年は、この人口1万人未満の村に全世界から約4万人が集まり、約120トンものトマトを投げあったというので、すごいですよね。スペインのテレビのニュースや情報番組で、アメリカやドイツや日本からの観光客も多いと言っていたので、日本でも有名になっているのでしょうか。

tomatina.jpg
  他サイトより拝借させていただいております。

このトマティーナは、そんなに歴史のあるものではなく、始まりは1945年だそうです。お祭りの一行事、巨大人形のかぶりものの行列をやっているときにけんかが始まり、その辺にあった野菜などを投げ始めたのがきっかけとなり、その次の年にも若者が今度は家からトマトだけを持ち出して投げたことから、今のお祭りに発展したそうです。一時は、市がトマト投げを禁止して、逮捕者が出たこともあったとか。全世界から参加者が集まるようになるとは、誰も思わなかったでしょうね。

同じ日に、サラゴサに近い、タラソナという街でもトマト投げをする祭りが行われます。こちらは、シポテガトの祭りです。シポテガトという、ピエロのような派手な衣装を着た若者が、市庁舎から飛び出し、彼をめがけてトマトを投げて盛り上がる祭りです。

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  他サイトより拝借させていただいております。 

その他、ぶどうを投げあったり、狭いおりの中で人が居ながらにして、夜中にロケット花火のようなものを何万発も発火させたりするものなど、変なおまつりがいっぱい。スペイン人は本当にお祭り好きな国民だと思います。

2008年09月10日

スペインの学校事情 1

17歳の長男の学校が今日から始まりました。13歳の次男は明日から。だらだらしていた、長い夏休みも終わりです。

スペインの義務教育は、小学校が6年間、中学校が4年間となっています。その後、勉強を続けたい人は、高校が2年間あり、その後大学が学部によっても違いますが、5年から6年あります。小学校に上がる前も、同じ学校で幼稚園のようなクラスが、3歳児クラスからあります。

学校には、公立、半私立、私立の3種類があります。公立と私立は日本にもあるので、お分かりいただけるでしょう。半私立というのは、政府の補助を受ける私立です。いろいろと政府の出す規準を満たした学校で、義務教育期間中は授業料がほとんどゼロかわずかな金額を納めるというもの。とても人気があります。

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    我が家の息子たちが小学校6年まで通っていた近所の公立小学校

というのは、スペインの公立の学校は、たとえ居住許可がなくても子どもは無料で受け入れてくれます。移民が多いマドリードの市内の公立学校はクラスの半分が移民という学校もあるのです。ということは、残念ですが、生徒のレベルが下がってしまう。ということで、教育熱心なスペイン人家庭の多くが子どもに私立へ行かせたいと考えるのです。

スペインと日本の学校制度の大きな違いは、大学入試までまったく入学試験がないということ。私立の学校でも入学試験がないし、高校も中学を卒業していればだれでも入れます。ですので、有名私立に入りたいので、幼稚園から塾に行くなんてことは、全く想像もできないことです。

我が家の長男は、皆さん驚かれると思いますが、3ヶ月もある夏休みにスペインの学校の勉強は一秒もしていません。来年の6月には大学受験が控えていると言うのに。。。それでもなんとかなっていくようです。学歴社会の日本では信じられないことでしょうね。


2008年09月17日

スペインの学校事情 2

先週、スペインの子どもたちはのんびりしているという記事を書きましたが、学校が始まれば大変そうです。教師によっても違うのですが、結構宿題はありますし、小学校5年生くらいから頻繁に試験もあります。また、小学校と言えども、落第する教科が3つになると、留年決定です。

そのほか、子供たちのスペイン人の友達の様子を見ていると、結構習い事もしています。学校で授業後にあるクラブや、英会話や音楽などなど。日本の子供たちのように、塾にいっている子はいませんが、学校が終わってから、あまり遊ぶ時間はのこっていないようです。

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写真は、2年前まで下の息子が通っていた、近所の公立小学校。冬のある時期に撮った写真です。ご覧のように、子どもたちは、ショッピングカートの様なかばんを持っています。小学校3年生くらいから、かなり分厚い教科書を使用しているので、宿題のために家に持ち帰ると、かばんは相当な重さになり、背骨のことを考えると、ごろごろ引っ張っていくほうがいいということで、こういうかばんを使っている子が多いです。

それと、写真の左側に写っているのは、学校までそれぞれ自分の子どもたちを送ってきた親たちです。幼稚園なら送ってくるのもわかりますが、小学校の高学年になっても親が学校まで送ってくる人が多いです。スペイン人には心配性の人が多く、学校までついていって安心したいのでしょう。また、学校まで車で送ってくる人も多く、学校の始まる時間と終わる時間は、学校の周辺は車であふれます。

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日本とスペインの学校の違いはまだまだありますが、今日はこの辺で。

2008年09月24日

スペインの学校事情 3

今週も、スペインの学校の話題をお届けします。

子どもたちが小学校のときは、ほぼ毎朝私も他のスペイン人の親御さんたちの真似をして、学校まで送っていたのですが(実はウォーキングをするためだったのですが)、朝の子どもたちが登校する時間に、先生たちも学校に到着しているのです。朝の職員会議なんてないのでしょうね。そして、放課後クラブ活動などがあると先週のコラムで書きましたが、それらには一切先生たちは関与していません。クラブ関係は、外部の業者が運営していて、子どもたちはたとえ公立の学校であっても、月謝をはらって参加をしています。日本では、特に中学校でクラブの顧問の先生は大変ですよね。先生が忙しすぎる日本、その点はスペインを見習えばいいのにといつも思います。

放課後のクラブ活動で人気のあるのは、男の子はやはりサッカー、二番目にバスケット。女の子はバスケットやフラメンコでしょうか。そして、空手も結構人気があります。どの学校にも空手か柔道のクラブがあるようで、習熟度は別として、やったことのある人の数は日本より多いのではないかと思うくらいです。

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この写真は、空手を学校のクラブで習っていた息子の友達が、学校のお祭りのときに技を披露したときのもの。もう5年くらい続けているので結構決まっていました。

日本の学校との違いで、もう一つお知らせしたいのはお昼休みの長さ。子どもたちが通っていた小学校は、2時間ありました。その間に、家に帰って食べる子もいるのです。我が家の息子たちは、小さいときは家に帰っていましたが、大きくなるとお昼休みに友達と遊びたいので学校の食堂で食べるようになりました。でも、その食堂の食事、おいしくないそうです。まあ、うちの息子たちは和食が好きと言うのもありますが、メニューをみてもバラエティはないですね。そんな息子たちが夏休みに2週間だけ日本の学校に体験入学させてもらうと、日本の学校の給食はおいしいと感心します。それに、安いですよね。こちらでは、1ヶ月約100ユーロ(日本円にすると1万5千円!)もとられるんですよ。おいしくて安くてバラエティに富んでいる日本の学校の給食、それでも給食費を払わない親がいるなんて、、、ちょっと、話がそれてしまいました。

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