« 2008年11月 | メイン | 2009年03月 »

2008年12月 アーカイブ

2008年12月03日

巨匠 ゴヤ

12月に入り、早いもので今年もあとわずかとなりました。マドリードの街もクリスマスのイルミネーションが始まり、買い物客があふれる季節となりました。1年前にイルミネーションの話題について書きましたので、よろしかったらまた読んでみてください。

今週もまた、プラド美術館についてのお話を。

プラド美術館のもう一人の代表画家はフランシスコ・デ・ゴヤだと言えるでしょう。有名な着衣のマハ、裸のマハもとても素晴らしいのですが、初めて、ゴヤの黒い絵シリーズを見たときの衝撃を忘れることができません。照明を落とした部屋に置かれた14枚の絵。どうして、こんな絵を描くにいたったのか、ゴヤのことをよく知りたいと思ったのを記憶しています。

興味のある方は、プラド美術館HPオンラインギャラリーから、作品名(Titulo)に着衣のマハはLa maja vestida、裸体のマハはLa maja desnuda、わが子を食らうサトゥルノはSaturno devorande a un hijo を入力してご覧ください。ページの表示に少し時間がかかります。わが子を食らうサトゥルノという作品は、ローマ神話をテーマとしており、プラド美術館にルーベンスの作品もありますので、比べてみられるのもおもしろいと思います。ゴヤの作品の方が、サトゥルノの顔がおどろおどろしくて、すごいです。
http://www.museodelprado.es/pagina-principal/coleccion/galeria-on-line/

goya.jpg
      プラド美術館前のゴヤの銅像

黒い絵のシリーズは、ゴヤが1819年にマドリード郊外に購入した別荘、キンタ・デ・ソルド(聾者の家)の壁に描かれた絵を、キャンバスに写したということで、とてもデリケートです。プラド美術館で黒い絵のある部屋が暗くしてあるのは、強い光が絵をいためないためだと聞いたことがあります。

黒い絵シリーズのほかにもゴヤ作品はプラド美術館にとても豊富に展示されています。デッサンなどを含めると170点にも及ぶとか。日本の多くの方々に直接鑑賞していただけたらいいなと思っています。プラド美術館のお話は、まだ続けるつもりです。お楽しみに!

2008年12月11日

もっともっとプラド美術館

2週続けてプラド美術館のベラスケスとゴヤの作品についてご紹介してきましたが、今日は「美術の会」で講師の方の説明を聞きながら見て、なるほどと思った画家二人の作品について紹介させていただきます。

まずは、現在のベルギーにあたるフランドルの15-16世紀に活躍した、エル・ボスコの作品です。この画家はあまり日本では知られていないようですね。日本語では名前がヒエロニムス・ボスとなっています。私も美術の会に参加するまではあまり知りませんでした。歴代スペイン国王のフェリーペ二世が、エル・ボスコの絵を気に入り買い集めたということで、スペインに彼の作品が現在多く残っています。

まずは、代表作の「快楽の園」をプラド美術館のHP15人の代表画家のページでご覧ください。
http://www.museodelprado.es/jp/japones/las-15-obras-maestras/ficha-obra/obra/-01d866d879/

この作品は細かい部分が多いので、ネットではよく分からない部分が多いかもしれませんが、15-16世紀という時代にこのようなシュルレアリスムなものを描いた画家は他にはいないのではないでしょうか?

もう一人は、17世紀を代表するスペインの画家、ムリーリョです。この時期には宗教的な絵画が多いのですが、彼の描く聖母マリアや天使たちはやさしい顔だちで人間味があふれているのにとても惹かれました。

こちらは残念ながらプラド美術館の15の作品には選ばれていなかったので、オンラインギャラリーでAutor(作者)のところにMurilloと入れてみてください。
http://www.museodelprado.es/pagina-principal/coleccion/galeria-on-line/

これで皆さんもプチプラド美術館通の仲間入り!?

iglesia.jpg
     プラド美術館新館の隣にある教会

2008年12月18日

ティッセン・ボルネミッサ美術館へも足を伸ばそう

プラド通りをはさんでプラド美術館のななめ向かいにあるティッセン・ボルネミッサ美術館。ティッセン・ボルネミッサ男爵が1920年代から絵画を集め始め、その息子の代と二代にわたってコレクションをしたものがスペイン政府によって買い取られ、展示されているのが、この美術館です。個人のコレクションとしてはイギリスのエリザベス女王のコレクションについで世界第2位といわれているそうです。

thyssen.jpg

この美術館では13世紀のものから現代のものまでヨーロッパ美術の流れを見られるように、2階(日本式に言うと3階)に古いもの、順番に下におりていくと段々と新しいものへ、地階には20世紀と現代のものが配置されています。

この美術館の代表作品も、美術館のHPのオンライン・ギャラリーで見ていただきましょう。ここのページは作品を大きくして見られるので、細かいところまでよく見られます。

まずは、イタリアルネッサンスの画家、ドメニコ・ギルランダイオの「トルナボーニの肖像」http://www.museothyssen.org/thyssen/coleccion/ficha680.htm

続いて、フランス印象派のドガの「踊り子」http://www.museothyssen.org/thyssen/coleccion/ficha392.htm

もう一つは、スペインの20世紀を代表する画家の一人、サルバドール・ダリの「目覚めの一瞬前、ザクロの実の周りを一匹のミツバチが飛んで生じた夢」という長い題名の作品http://www.museothyssen.org/thyssen/coleccion/ficha388.htm

先週まで何回かご紹介した、プラド美術館とこのティッセン・ボルネミッサ美術館、そして現代美術を集めたソフィア王妃芸術センター、この3つの美術館を廻る予定のある方は、パセオ・デル・アルテ(Paseo del Arte)という共通チケットが14.40eurosでお得です。

About 2008年12月

2008年12月にブログ「スペインコラム」に投稿されたすべてのエントリーです。新しい順に並んでいます。

前のアーカイブは2008年11月です。

次のアーカイブは2009年03月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type