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バカラオの話

先週末からぐっと気温が下がり、比較的暖かかった気候から一気に冬に突入してしまったマドリードです。今日も日中でも10度までいかないそうです。

前回、タラのフリッターやコロッケが有名なバルを紹介しましたが、今日はそのタラについてのお話しです。

日本人の私たちはタラというと生の魚を想像しますが、スペインでは塩漬けのタラ(Bacalao en Salazon)を使うことが多いです。以降バカラオとします。もちろん、スペインの魚屋さんでも生のタラや少し塩をしたタラの切り身も売られています。

バカラオは、日本でよく食べられる干物とは比べ物にならないくらいの塩を使っているので、湿気のないところで数ヶ月くらい保存がきくかわりに、食べるときは丸一日かそれ以上水につけて塩抜きしないといけません。今でこそ、冷蔵や冷凍技術や輸送手段が発達したので、内陸のマドリードでも生の魚や食べることができますが、昔はそうはいきません。そこでこういう塩漬けの方法ができたのでしょうね。


  ウィキペディアの写真を拝借

そして、スペインでは敬虔なカトリック信者が多いことはみなさんご存知でしょうが、カトリック文化圏ではこのバカラオが欠かせない食品になっているそうです。謝肉祭(カーニバル)の翌日から復活祭の前日までの40日間は、鳥獣の肉を絶つ慣わしがあるそうで。現代ではかなりゆるくなって40日間ではなく(中には絶っている人もいるかもしれませんが)、灰の水曜日(復活祭の46日前)と聖金曜日(セマナサンタの金曜日、イエス・キリストが十字架に架けられた日)だけ肉を絶ち、魚を食べるそうです。そこで登場するのがバカラオ料理ということです。

また、保存のためだけでなく塩漬けすることによって、発酵のうまみがでてくるそうで、、、という話を聞いたことがあるのですが、スペインに来てからまだ一度もバカラオを料理したことがありませんでした。生のたらはよく買って、お鍋に入れたりしているのですが、、、今回初めてバカラオを大型スーパーマーケットで購入しました!といっても、やはり塩抜きがうまくいくか心配で、もうすでに塩抜きしてあるバカラオのパックを買いました。これは400g強入っていて8.24€。決して安い食材ではありません。さぁて、どんな料理にしましょうか?

バスク料理ではバカラオを使った料理が有名です。前回紹介した、カサ・ラブラのレストランでも食べられます。スペインにいらっしゃったら是非、ご賞味ください!

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2013年11月20日 21:35に投稿されたエントリーのページです。

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